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泉美木蘭
2020.2.23 00:03

妊娠出産を「苦役」と言われましても…

フェミニズムの学者による論文をいくつか読んだけど、
ポカンとしてしまった。

妊娠・出産を「懐胎分娩労働」「苦役」と表現したり、
女性は種の存続に奉仕するために作られている労働者階級だとか、
妊娠によって女性はかくかくしかじかの自由を制限される、
女性にのみこのような不条理を課すのは「文化の暴力」だとか、
その点、他人の受精卵を自分の子宮で妊娠分娩する「代理母」は
賃金労働となり得るとか・・・

これって女性のことを「産む機械」と考えているのでは?
それでいて、男尊女卑おやじから「産む機械」と言われたら
激怒するはずだけど。

「苦役」とまで言われると、単に「愛情をかける」という感覚を
知らない人なのかなとも思えてしまう。
「愛されたい、好かれたい」という内向きの気持ちは持っていても、
自分が誰かに愛情をかけるという外向きの感覚がない人もいるものだ。
それは子どもの有無に関係ない。

私は、自分が考えた「自分にとっての理想の自由」なんてものが、
そんなに素晴らしいものなのか?と思っているし、
そのとき不条理と感じたものでも、必死で努力してみたら、
重要な経験として昇華されていくことだって、かなりあると思う。
なんでもかんでも暴力だ、奴隷だ、苦役だ、差別だと言って、
本当の女性蔑視と一緒くたにしてたんじゃ話にならないよ。
生きていくことを、自分の想定内の快適さにおさめたがる、
その傲慢さはなんなの?
人生、そんなにナメたらあ~か~ん~と思うんですけど…。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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